ポルシェ3.0 SC エンジン不調

車の情報

仕様

US仕様のSC
エンジンはKEのコンピュータ制御

制御に関わるパーツの一部

車の後ろから4番目からコンピュータのメイン電源をとっています(コンピューターのヒューズ)

助手席の椅子の下にコンピューター本体が収納されています。(小さいBOXがリレです。)排ガスのみの制御だけではなく、エンジンの加速の制御も行っています。

フューエルデスリからウォームアップレギュレーターの間にあるバルブで、燃圧を制御しています。

プラグコード

プラグは新品に交換してある状態です。

処置に至るまで

200Km以上走行しないとエンジン不調の状態にならないとのことでしたので、車を一週間以上預かり、12時間ほど時間をかけ400Km以上走行しました。
それでも状態を確認できませんでした。

本日も朝からエンジンを始動し、排ガステスターで排ガスを測定しています。
CO₂は1.6、Hcは140でした。
30分ほどアイドリング状態を行った際、エンジンの振動とマフラーから”パスパス”という異音がしました。
排ガスCO₂は1.8、Hcは1600~1700です。

間違いなく1本エンジンがミスファイヤーしています。

この状態を待ってました!
やっと状態を確認できました。

処置

インジェクターノズル

排ガスがでず、エンジンのかけ始めが不調でしたので、超音波で洗浄することで新品同様の状態になり、アイドリング時や冷えた時のエンジン不調は改善されました。

その後、確認をしている際にエンジンの不調が見つかりました。

プラグ点検

基本に立ち返り、プラグの点検から始めました。

プラグ交換(1番、2番、3番)

プラグが死んでいるわけではないため、
原因がわかりにくかったですが、まずは変えてみて検証をすることで問題改善を図りました。

テスト走行

再度確認のためテスト走行したところ、
エンジンはまたしても不調でした。
原因はプラグではなく、他に問題あったことが判明し、基本に返り再度はじめから点検。

デストリビュータのキャップ

キャップにひび割れ(クラック)が見つかりました。
そのため、キャップを交換しましたが、いまいち調子がでない
点火系の信号に異常がある可能性があり、ピックアップコイルを交換しました。

※デストリービュータは生産中止のため入手困難です。

ピックアップコイル

ピックアップコイルも入手困難でたまたま、在庫があり、交換することができました。

再度走行テスト

デストリビュータのキャップ、ピックアップコイルを交換し、再度走行テストを行いました。
1時間以上走行しましたが何も問題が起きず、無事問題を解決し、納車することができました。

ポルシェオーナー様へ

今の車では考えられないことですが、40年前の車ですのでこのような問題が起きたりします。
古い車には今の車にはない手間がかかりますが、ある種生き物のようなよき時代の車です。

車を愛して大切に乗っていただければと思います。

ご相談、ご質問に関して

クレーマーレーシングジャパン有限会社では、ポルシェの専門店として、エンジンからボディーまでいくつもの車を修理、整備してきました。
空冷ポルシェのボディーは手作りで製造されています。そのため、組み立てる際に調整が必要です。
ポルシェの修理、整備を依頼する際には、知識、技術をもった方に依頼されることをオススメいたします。
愛車の不調や、メンテナンスなどお困りのことや、ご質問などがございましたらお気軽にご連絡ください。

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